このほど法務省により発表された令和2年版犯罪白書によると、覚醒剤の使用経験がある受刑者の7割以上がDV被害者であることがわかったようです。
今回のように受刑者の精神的要因を探った調査は初というのは正直驚きましたが、この調査により覚醒剤を使用する女性は、交際相手や配偶者からDVを受けている可能性が高いことが明らかになりました。
犯罪白書によると覚醒剤の使用動機について男女とも圧倒的に高いのが仲間と会ったときや仲間から連絡があったときとされていますので、誰かと繋がりを持ちたいというのはいつの時代でも犯罪の大きな要因の一つになるといえそうです。
この他、女性の動機として顕著に多いのが誰かとケンカしたあとや、自分の体型が気になるときといった情緒的な背景を持つ理由が特徴としてあるようです。
そこにはメディアで多く取り上げられる整形やダイエットなどの情報による影響や近親者、交際相手などからのDV等関わる人たちからの心無い態度が大きく影響しているのではないかと考えられます。
何かの事件や犯罪が起きたら、誰が何をしたかに論点が集まりがちですが、そこには大きな心の闇や被害者の叫びなどがそうした方向に向かわせている要因があることこそ注目されるべきではないでしょうか。
そうした心に闇を抱えている方やDV被害者が一人でも減るように、そしてそういった闇を抱えてきた方への心のケアが必要とされるべきではないでしょうか。