往年の映画ジョーズのモデルにもなり、海のギャングとも白い死神とも言われるホホジロザメ。
海で遭遇したら命の危険に晒されるそんなホホジロザメの死体が何体も浜に打ち上げられているという衝撃的な事件が南アフリカ近海で起きました。
死体は肝臓周辺がほぼえぐられて無くなっており無惨な姿であることから他の生物に補食されたものだということが分かったのです。
オットセイやイルカも補食するホホジロザメは、通常1トンもの巨体のため、そんなホホジロザメを襲うとすれば、それ以上の巨体である必要があります。
自然界では海でも陸上でも基本的に体格の差で勝敗が決まります。
それ故に陸上では速度に勝るチーターも、集団行動に強いオオカミも大型のライオンやトラに勝てないわけですから。
ここで海に話を戻すと、ホホジロザメより体格の大きい海の生物で襲う可能性のあるもの、それはシャチです。
シャチは海の帝王とも闇の魔物ともいわれ、その愛らしい風貌とは裏腹に海のハンターの素顔を持っています。
浜にあがったホホジロザメの死体や今までの研究から、鋭利に切り込みを入れ肝臓をすすりだしたとされる、その切り口は高等な技術を持った医師がメスを入れたようであると言われています。
的確に肝臓だけを狙っていることもすごいですが、知能的にサメを倒していることも驚きです。
肝臓は脂肪他栄養素の宝庫で、人でいうバターやベーコンのような位置づけと言う人もいます。
最近は、本来襲うはずのないラッコなども捕食されていることから、徐々に生態系が崩れていることが伺えます。
水族館でも海でも人や他の無害なものには基本的に害を与えないシャチですがサメに対しては別という事でしょう。
サメは魚類のため内臓を保護するものが弱く、それに対してシャチは哺乳類で内臓は保護されていますので、攻撃主体のサメでは歯が立たないという事です。
南アフリカ近海を長い期間餌場としていたホホジロザメですが、シャチを見かけてから8時間ほどの間に他の海域に移動したようで1年以上戻ることは無かったようです。